つぶやき

はじめに

わたしが初めて松崎町を訪れたのは、2021.2.28。
それは六弥苑の物件をみにきたわけではなく、以前からご縁をいただいている田口ランディさんが親しくされている村上光照老師のご自宅に、ランディさんを含め、ポトラというイベントで知り合ったみなさんと一緒に訪ねさせていただいた時でした。
村上老師は、NHKこころの時代にも数回出演されている曹洞宗の僧侶。4年前にランディさんと老師が対談されるイベントの際、老師が「大根の葉っぱが食べたい」とおっしゃられたときに、やはりポトラでご縁をいただいたスワリノバの森竹さんがバナネイラを思い出してくださり、ケータリングのご依頼をいただいたのでした。
そのイベントでの老師のお話を聞きながらおもったことは…「空海さんや良寛さんみたいな、いわゆる”伝説の僧侶”が目の前にいらっしゃる」ということ。質問によっては一瞬で宇宙までトリップされるような感じがするし、すごく厳しい顔をされたと思いきや、急に赤ちゃんみたいな顔で笑う。冥王星のことも武田信玄のことも、今目の前で見ているように話をされる。こんな方がいるのか…と、しばらく老師のコトバばかりをネットで追って、ため息をついたりしていました。
その老師が現在もお住まいになられているのが松崎町で… ランディさんにお声がけいただき、ただただもう一度お目にかかりたくて伺ったので、ぜんぜん松崎町がどんなところなのかを調べたりせず、老師のご自宅から下田に出かけて、湯河原経由で帰ってきただけでした。

そしてその3日後… そんなことは何も知らないバナネイラの内装を手がけてくれた方が「こんないいところ、ないよ」と送ってきた不動産情報が、この六弥苑の物件で。でもこのときのわたしは「ずっと漠然とあるだけの”田舎の拠点”について、もう動かなくては」と思い、いすみ市のブラウンズフィールドさんを訪れた直後。そしてその拠点を、親しみある秦野や大井町付近で探しはじめていたところだったので「いやいや、伊豆は遠いし…」とスルーしようとしたのですが「ん?松崎町??老師のご自宅も確かそんな名前だったような…」と答え合わせをしたら、そうだった。そしてこの物件から、老師のご自宅は車で15分くらいじゃないか… えええ… と、松崎町について初めて調べてみたら。数々のシンクロシニティがおそってきて、思わず椅子の上に立ち上がってしまったほどでした。


「はじめに…」という題名なのに、本題にはいる前にこんなに長文となってしまったので… 続きはこれからゆっくりを綴っていくことにします。この一年の急展開を振り返ると、本当にミラクルの連続でしかなく。事業再構築補助金が採択されたことも、高田宏臣さんが関わってくださることも、ミカちゃんが移住して管理人になってくれることも、そしてそのミカちゃんの引っ越しが3.10で、わたしが物件を初めて見に行ったのが3.9だということも、全部、一年前には想像なんてできなかったことです。

「菩薩の願いの海をずっと無限に泳ぎ続けるだけ」

これは、冒頭のイベントで「老師がこれからやろうと思っておられることは何ですか?」の質問に対しての、村上老師の答えでした。この質問の時にはとても厳しい顔をされ、しばらくの沈黙の後に、「失礼な言い方かもしれないけど、愚問だ」とおっしゃられ、先述のように続けられました。
今とても、この時の答えがすーっと入ってきます。そして「抱かれてすやすや寝ているのが本当の信仰」というコトバも。この一年、かなり綱渡りというか見切り発車しなくてはいけないことがたくさんありましたが、そんな時はいつもこの時の2つのコトバを思い出し、流れにたゆたうようにしてきました。何が起こってもすべて必要なことなんだと思うと、いつもラクになれました。(あっ、しまった、また長くなってしまっている…)

まわりからみるとわたしは「これから何かをやろうとしている人」に見えるかもしれませんが(実際にはそうなのかもしれませんが)ただただ単純に「この先もずっと大切な人たちと一緒に笑えるように、抱かれてすやすや眠れるように在るために」のベクトルに向かっている過程で、六弥苑が生まれたのだと思っています。だから来年にどうなっているかはちょっと実際のところわかりません… もしかしたら六弥苑はゲストハウスではなく、シェアハウスになっているかもしれないし、地元の人たちを巻き込んだ飲食店になっているかもしれないし。とにかく一年前には想像できなかった今があるので、今ここに書くこともできないことになっているかもしれません。

このホームページには、わたしの今の想いをできるだけ詰め込んだつもりでいますが、まだまだ書ききれていないことがたくさんあるので、これまでの経緯と並行して、いろんなことを残していきたいと思います。

拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんとバナネイラだけではなく、六弥苑でお会いできるのを本当に愉しみにしています。

Mio

Mio

「六弥苑」「2bananeira.」オーナー。日頃は「2bananeira.」でコーヒーを飲んでいます。

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