都会で暮らしながら自然栽培の野菜を求めたり、喧騒から離れてのんびり過ごしたいと思うと、必然とお金が必要になってきます。だから働く。働かなきゃいけないから、いつも時間がない。少しでも自給をと、家庭菜園やコンポストをつくりたいと思っても、場所や時間の確保が難しく、やっぱりお金が必要になってくる。
生産性のない都会で暮らすということは、誰かが作ってくれたり、獲ってくれたり、育ててくれた食糧を、海外からのエネルギーを買うしかない。どうしても依存することになるんですよね。
「この依存がジレンマの原因だ!」と、わたしが気づいたのが、松崎町を訪れたときでした。目の前は田んぼ。野菜を育てられる畑もある。魚の泳ぐ海もある。山には木が生い茂り、 アースオーブン、コンポストのための広いスペースもある。そして何より… 住んでいる人々がみんな幸せそうにのんびりしている!
「六弥苑(ロクヤヲン)」は、わたしと同じように「このままではいろんなものが続かないとわかってるけど、何から始めたらよいのかわからない」というジレンマを抱えた人たちと一緒に、作物を育てられたり、水源を守れたり、アースオーブンをつくれたり、釣りができたり、火をおこせたり、オフグリット設備をつくれたりする方々に教えてもらいながら、少しでも今の「依存」から離れられ、それぞれが自分の足で立てる自信を持ち、この漠然とした不安から逃れられるきっかけになるような場所にしたいと考えています。