「自然環境」というと、なんとなく「自然元来の構成物だけで形成されている環境」のことで、日常とはかけ離れているもののように感じると思います。でも、本来の自然環境とは、都会を含むすべての大地と、わたしたち人間も含んだものであるはず。
そんなことを痛感したのは「土中環境」の著者である、高田宏臣さんとの出会い。…衝撃でした。
「大地の通気浸透性に配慮した伝統的な暮らしの知恵や土木造作の意義」という、これなくして「循環」や「共生」はないといえる、本質的なところ。
本来の「自然環境を守る」とは?
昔の人の環境への造作の名残をみると、人の手が入るからこそ環境や生き物に良い影響を与えられることがたくさんあり、昔の人はそれを解っていたんだということが垣間見れます。例えば石垣を積んで石畳を敷く古道も、ただの斜面だった時よりも土地が安定して、植物や動物が気持ち良く過ごせるようにできるはず。
開発というと、環境を壊すイメージがありますが、本来はどちらにとっても有益な環境をつくることで、あかるくなってゆく。
「そんなこと(循環と共生)が本当に可能なんだ!」… と思えるような、いきいきとした自然環境をつくること。それを、六弥苑の裏山から実践しつつ、わたしたち人間にしかない創造性を活かしながら、さまざまなことを営んでいきたいと思っています。