60年前に建てられた古民家だった六弥苑の元々の屋根は瓦屋根で、その量は5トン、つなぎの土は7トンもありました。
先人の知恵であるこの瓦屋根を残すために、瓦屋根を修繕したい気持ちはとても大きかったのですが、金額的にチカラ及ばず… せめてこの瓦を再利用したいと考えた時に、「廃材エコヴィレッジゆるゆる」さんの村民ページに投稿させていただいた時に、「こんな人いますよ!」と、haruo kasamaさんよりご紹介いただいたのがクドウシュウジさんでした。
シュウジさんは、全国各地でその土地土地にある自然素材をなるべく利用し、アースオーブン※やファイヤーピットなどを作られている方。
2022年の11月にアサバアートスクエアさんでお話しさせていただいたところ、いろいろとミラクルなご縁もあり、六弥苑のアースオーブン制作をお願いすることになりました。
※アースオーブンとは、身の回りにある天然資材で手づくりする、土をベースにした石窯です。
ピザやパンはもちろん、ごはんも炊ける… 薪を利用するので、災害時にも大きく役立ちます。
シュウジさんへの依頼を大きく挙げると「瓦を最大限に利用してほしい」「室内に設置したい」でした。
そして… 2022年の夏、滞在型ワークショップとして約一ヶ月にわたり、総勢60名近くの方々が入れ替わり立ち替わり、一緒にアースオーブン作りを行いました。
700枚の瓦をカットし…
壁面にカットした瓦を、耐熱を兼ねた意匠として
ダンボール漆喰も含め、壁面が完成
レンガ施工(火を焚く部分)
土台にもたくさんの瓦を使用
瓦を重ね、セメントで固めていきました
土台が完成
アースオーブンといえば… みんなで土踏み!
ここから、ドーム作りがスタート
層によって、混ぜるものを変えていきます
ついに煙突がつきました
崩れないようにするため、稲藁を混ぜ込んでいる層もあります
稲藁を入れる土は硬くて踏むのが大変なのですが… 申し合わせたように、ちゃんと強靭な男性陣が集合するミラクル
稲藁は、日野より駆けつけてくださった馬場さんからのプレゼントでした
いよいよ終盤
鐵左さんが、火防のお守りをお祝いにと!
江戸時代の身体能力を持つシェフが、天井に煙突のための施工を
室内の設置ということで、複雑な煙突構造を施していただきました
あとは乾かし、漆喰を塗って完成です
2週間後… ドームの土を取り出し、漆喰を塗りました
それぞれが好きな石を埋め込み
海岸で偶然見つけた「6」のカタチの石。六弥苑のシンボルにピッタリ。
「ブリギット(ケルト神話に登場する豊穣と火の女神)」の完成!
オープニングセレモニーで、初のお披露目
おいしいピザが焼けました
余熱もやさしいブリギットさま
オーブン料理から、燠火でパン焼き… 六弥苑のシンボル
これからのイベントでも、災害時でも、ダーチャに必須のアースオーブンです